鳥取県鳥取市 よろずクリニック(内科・消化器科)院長

 水素吸入療法について意見します。
最近巷で言われている水素ですが、当院がお勧めするのは水素水ではなく水素吸引です。水素の吸引に関しては慶応大学が救急で心肺停止の患者へ吸入させることで脳へのダメージを軽減し社会復帰させるための臨床試験を行ったことで有名です。
また2016年12月には日本先端医療臨床応用学会理事長の赤木純児先生(注1)による水素吸入による癌への臨床的治療効果の論文が出されました。簡単にご紹介しますと、水素ガスの吸入にて癌による免疫機能低下状態の患者が有意に免疫機能の改善をきたしPD(癌が悪化している状態)からPR(癌が縮小している状態)へ改善した、ということが証明されました。
 水素には悪玉活性酸素であるヒドロキシルラジカルを選択的に除去するので抗がん剤の副作用を減らしたり慢性疲労状態を改善させる効果もあります。
この「Hycellvator ET100」は、1分間に3,000ℓ分の水素を発生し、酸素と水素を両方吸入できる専用機です。水素はあらゆる疾患に効果があります。何故なら水素は非常に分子が小さく脂溶性、水溶性に富むため、脳から皮膚、各臓器まで満遍なく行き渡るからです。
 喘息、花粉症などのアレルギー疾患、アトピー性皮膚炎を含む肌荒れ、ウイルス感染、慢性疲労症候群、動脈硬化、脳疾患、抗がん剤副作用軽減、癌治療など、活性酸素から起こる疾患には全てやってみる価値があります。当クリニックでも活用しております。

(注1)水素ガスは、免疫を抑制する悪玉活性酸素を除去することで、体内の炎症を低減することが報告されている。しかし、その詳細な機序については不明な点が多い。今回、我々は、水素ガスによって、特にCD8+Tcell の分化誘導がどのように変化するかを検討した。
Stage IV の癌患者37名に対して、水素ガスの吸入を行った。その結果、PR 12名(32.4%)、SD 16名(43.2%)、PD 9名(24.3%)で、奏効率が32.4%、臨床的有効率が75.7%と非常に良好であった。このうち、毎日吸引したのが14名、週に2回が4名、週に1回が17名、2週に1回が2名であり、これらの奏効率は、それぞれ57.4%、25%、17.6%、0%であった。このことから、水素ガス吸入量と患者の予後には相関関係があるものと思われる。